ISBN:4091883494 コミック 鬼頭 莫宏 小学館 2006/12/26 ¥590

ただ今第11話まで放映されているアニメです。
今期一押しのアニメであり、6巻(月刊イッキ連載中)まで出ている漫画も読んで感想を書きたくなったため載せます。

原作者『鬼頭莫宏』という人を知るきっかけは4〜5年前のアニメ『なるたる』という作品です。
近代兵器(ジェット機や戦車)が、変な生物(ネタは知っていますがここでは抽象的に書かせてもらいます)と戦う描写が凄く好きでした。
変な生物は、変な生物っぽく現実感の無いような攻撃をすればよいのに、何故か銃などの武器を器用に使って戦い、何となく現実感が滲み出ているのも良かったです。
さらにドキドキ感が凄くて、こんなに息を詰まらせながら見た作品は無くて衝撃を受けました。
ただ元から13話で終わる予定で、アニメでしか見ていない人だと何の伏線も回収されないまま終わってしまい、結局漫画も読む機会もないまま原作者のことも今期まで忘れていました。

話を本筋の『ぼくらの』に戻しますが、とりあえず簡単なあらすじをコピペしておきます。

夏休み――自然学校にやってきた15人の少年少女。
そこで、小学生の宇白可奈を除く14人の中学1年生は、ココペリと名乗る謎の人物と突然、契約を結ぶ。
その契約は
戦いに負けたり、勝負がつかず48時間経過すると、地球は破壊され、
全人類のみならず地上の全生物が死滅する。
操縦者は、事前に契約した者の中から選ばれた1名がなる。
操縦は一人で行い、勝手に変更する事は許されない。
ロボットは人の生命力で動く。一戦闘する代わりに、操縦者の命を奪う。
世界の滅亡か ぼくらの死か。 

参照『ぼくらの公式サイト』http://bokurano.jp/

という感じで、とりあえず人がどんどん死んでいきます。
リアルタイムでアニメを見ることを滅多にしない自分ですが、最近は便利なサイトが存在するためそこを利用させてもらい見ています。
始めの印象は『なるたる』を見ているときとまったく同じで、何でこんなに息を詰まらせながら見れるのかなぁと思いました。
現実の世界観がそのまま通用するため、たとえば自分がこのような状況になったらどのような選択をするのかなどと色々な思考をしながら見ることが出来ます。
王道ファンタジーが一番好きなジャンルではありますが、妙に現実味があり伏線をバリバリ使うような作品(俗に言うセカイ系)も好きなのでそこも高評価です。

ちなみにアニメ版『ぼくらの』は15人もの登場人物がメインキャラなので、1人1話という形で進んでいきます(今のところはですが、これから人数が足りなくなっていくのでどうなるのでしょう)。
そのため、メインキャラ1人の死が決まった後の生き方を見るアニメとなっています。
あくまでロボットは舞台設定のための物な扱いなため、純粋なロボット物が好きな人は『天元突破グレンラガン』を見た方が無難です。

この時点では純粋に作品を楽しんでみていましたが、何話も見ていくうちに原作とアニメの話の変わり方が酷いという事を知ったため、ソースを辿ってアニメの監督が書いている日記を発見しました。

『Morita Hiroyukiのブログ』http://blog.goo.ne.jp/moriphy/

演出として、原作で使えることとアニメで使えることが違うのは仕方が無いことです。
そして監督は原作が嫌いらしく、監督が納得のいかないところは監督なりな考えで作品を変えています。
原作を変えるというのはアニメでは常套手段ですし、特にまだ終わっていない作品なため、間違っている事を主張してはいません。
ただ自分がこの監督を批判したい事は、原作が素晴らしい作品であるという事です。

原作版『ぼくらの』は、今まで読んだ漫画の中で、キャラクター、設定、コマ割などの演出が良く出来ていると思いました。
つい最近6巻まで読んだのですが、漫画喫茶だというのに読んでて涙を流してしまいました。
漫画は結構読んできたつもりなので、コマ割や漫画特有の見せ方なども考慮にいれて判断しますが、なかなか出会える作品では無いと思えました。
コマ割の例としましては、流しながら読んでいると気付かないようなコマからさまざまな情報が「想像」できて、特に一番のお気に入りは6巻の見開き1コマ使って手を差し出しているところでは大泣きしていました(もっと具体的に書くとネタバレになるので、原作を持っている人は読み直してみるのをオススメします)。
ロボットの戦闘もしっかり書かれていて、形状が「想像」しやすく設定されているため読者に優しい仕様です。
キャラクターも15人もいるため、様々な動機が垣間見れてかなり考えさせられたりもしました。

原作版の感想を書いたところで、アニメ版に戻ります。
前提条件として知っておいてもらいたいのは、原作を大幅に変えた話はブログ上で相当叩かれていたということです。
原作はアニメと同じく1人の生き方に焦点を置きますが、こちらは特に何話で終わらせるというのが決められていないため、キャラクターによって2話で終わる人もいればほぼ1巻使う人もいたりします。
監督が原作を変えるのは仕方が無いですが、どうやら変え方が「こんな設定では現実感のかけらも無い」という考えが入っていたりします。
時間的制限で削られているものももちろんありますが、日記を読んでいる限りでは上記の「現実感」というのを重視しているように感じました。
それで削られているところは納得できるところもありますが、どうも監督はなかなかの真面目な人なようです。
日記の方でも、コメントをONにして批判を甘んじて受け、本心から書かれているような文章で書かれています。
その真面目に考えた「現実感」というところが原作からのファンには否定的だったということです。
この『ぼくらの』みたいな、人の捕らえ方で想像が変わっていく作品だと、絶対的な答えというものは原作で描かれたものであるためだと思いました。
原作でアニメ化するにあたり原作ファンというものは大事なので、原作と違っている展開にする場合は細心の注意が必要だと思っています。
過去の作品でもそういうものは多くて、原作は良くてもアニメは見れたものでは無いという作品は山のようにありますからね。

もう一つ監督が書いていたことは、「小説や漫画は想像というところで補える部分があるのがアニメと違う」とありました。
確かにそれはその通りで、夢純の原作感想でも意図して「想像」という言葉を使っています。
アニメは時間に縛られているのと、さまざまなターゲッティングを考えなければいけないため、あまりに「想像」を使い続けると話が難解になり収まり切れない感じになってしまいます。
それでもアニメ監督という職業に就いているのであるのなら、アニメ特有の動くという利点を使いなんとかならなかったのかとか思ってしまいました。

ここまで監督批判はしてきましたが、決してアニメ版が悪いとは思っておりません。
アニメでもドキドキ感は味わう事が出来ますし、何となく見ていても特に不都合が起こっているわけでも無いです。

アニメ版『ぼくらの』もアニメとしては出来すぎていると思いました。
ただアニメ版から『ぼくらの』を見て、このような作品が好きな人は決して原作を読んではいけないとも思いました。
原作は自分的に神がかっているからです。

P.S.
やはり感想を書き慣れていないため、何回も読み直して書き直してはいますがとてもひどい内容ですね。
論点が定まっていないのは素人目からみても明らかです。
まぁ自己満足で、これで『ぼくらの』に興味を持ってくれる人がいてくれればなぁと思いアップしました。

コメント

nophoto
ねこ
2007年7月14日0:40

最近すごくこのアニメに興味をもっています
原作とアニメどちらを先に見た方が良いのでしょうか?
教えて下さい!!!

nophoto
ねこ
2007年7月14日0:40

最近すごくこのアニメに興味をもっています
原作とアニメどちらを先に見た方が良いのでしょうか?
教えて下さい!!!

夢純
夢純
2007年7月19日12:51

ねこさん>
もう見ているか分かりませんが今さらコメントに気が付きました、すいません。

自分はアニメから見ましたが、アニメから見始めるならアニメだけを見続けるべきです。
逆に原作から見始めるのなら、両方を見比べるのが良いと思います。
原作の方が自分ははるかに好きなので、原作を読む方をお勧めします。

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